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遠野ぶろぐ

「湯を沸かす」は「水を沸かす」では?

「花瓶を割る」のように、変化を伴う動詞の目的語は
それが変化する前の状態である、と考えた場合、
「湯を沸かす」はおかしいと思えるかもしれません。

しかし、変化した後の状態を目的語にとることのできる
動詞も存在します。
「穴を掘る」の「掘る」や「糸を紡ぐ」の「紡ぐ」などが
典型として挙げられます。
この場合「穴」は地面などを掘った結果生じたものであり、
「糸」は綿や毛を紡いだ結果生じたものですから、
「花瓶を割る」における「花瓶」とは明らかに異なっています。
このようなものは一般的に「結果目的語」などと呼ばれています。
「湯を沸かす」の場合も「沸かす」が「掘る」と同じような
結果目的語をとり得る動詞であると考えられます。

ただし、結果目的語をとり得る動詞でも、目的語が変化する以前の
状態をとりたてて問題にしたい場合などは、
変化前の状態にある目的語をとることも可能です。
「固い岩盤を掘る」や「やかんの水を沸かす」などがその例です。
by tohno6 | 2005-02-02 17:43 | 学習
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